無垢板と合板のちがい [11/04/01]
3月も今日でおしまい。明日からは新年度ですね。こんな時だからこそ、頑張っていきたいものです。
さて、皆さんの家の中でも、「木の物」がたくさんあると思うのですが、「木」と思っていても、実は見た目だけというのが意外と多いんですよね。
「無垢の木と合板の違い」が分からないということを、よく耳にするので、今日はそのあたりについてお話します。
ちょっと長くなりそうなので、2回に分けて書きますね。
|
|
上の写真はどちらもフローリングですが、左側が「合板」で、右側が「無垢板」です。
断面を確認すると、無垢板には「年輪」が見えるのに対して、合板は5枚の板が貼り合わされているのが分かると思います。
無垢板は森から伐採されて、家のフローリングになっても、「木」がもつ本来の機能が失われないので、次のような効果が期待得できるのです。
▼調湿効果
無垢板のフローリングは、湿気の多い時は水分を吸収してわずかに膨張し、逆に乾燥している時には、吸った分の水分を放出して、その分収縮します。
「無垢の木が伸縮する」と言われているのは、このためなんです。
この作用によって、室内の湿度が調整され、快適な状態を保ってくれるのです。
▼安心できる自然素材
無垢の木のフローリングは、合板フローリングに使われているような接着剤が使われていませんので、安心して使うことができます。特に、小さなお子様がいるご家庭や、化学物質過敏症の方には安心できる素材と言えます。
▼無垢材の断熱性
無垢の木のフローリングは、木の繊維にたくさんの空気を含んでいるので、「断熱性」や「保温性」に優れ、夏にはひんやり、冬には暖かく感じます。
だから、室内でスリッパを履かなくても、素足で快適に過ごせるんです。
また、暖房器具などでいったん室内が暖まると、無垢の木のフローリングは熱が冷めにくいので、快適に過ごせます。
冷房を利用した場合も、同じ様に快適です。
|
|
|
▼経年変化
いつもお話させて頂くことですが、無垢の木のフローリングは、月日が経てば経つほど艶が出て、味わい深い色に変化してゆくので、暮らすほどに、経年変化を楽しむことができます。
▼その他の効果
森の近くへハイキングに行ったり、散策したりした時、爽快感を感じたことはありませんか?
これには、木が放出している「フィトンチット」という物質が関係しています。木が外敵から身を守るために出すのが「フィトンチッド」なのですが、これにリフレッシュや消臭、殺菌効果があるからなんです。
こうしてみてみると、やはり住まいには無垢の木を使う方が良いですよね。
でも...昔は当たり前のように使われていた無垢の木ですが、今では合板フローリングの方が多く使われています。
「それは、なぜか?」については、また次回、お話ししますね。
無垢板のススメ [11/03/31]
今日から新年度、気持ちを新たに頑張りたいと思っています。
さて昨日、無垢の木と合板の違いについて書かせて頂きましたが、今日はもう少しつっこんで書いてみます。
そもそも、「なぜ合板フローリングが使われるようになったのか?」
きっと、皆さんが日頃「これは木だ」と思っているものの多くがは、「実は合板」ということが多いので、どれが本物の木、つまり無垢板か分からない人がほとんどだと思います。
写真のように断面を見れば良く分かるのものの、表面だけではその違いは分からないですよね。
表面は同じように見えても、木の本来の機能あるもの=無垢板と、ないもの=合板とでは、全く違うものなのです。
「なぜ、こういった合板がたくさん使われるようになったのか?」と言うと、合板は無垢板のように湿気を吸ったりはいたりすることがないので寸法が大小することもなく、扱いやすいからです。つまり、住まいを造るのに都合がよく、さらには安く、木に見える製品を造ることができるからです。
ただ、これらの合板には、木が本来もつ効果は期待できず、そういう意味でも、合板と無垢材とは全く違うので、比較できるものではないのです。
また、無垢板の寸法が大小するのは、湿気を吸ったりはいたりしているためで、一本一本それぞれに個性があるので、寸法変化の仕方も様々です。
かだら、昔から大工さんは、そういった無垢の木の個性を見抜いて加工し、留めつけていたのです。
よく、「無垢板を使うと板が動いて、生活に不都合が起こるのでは?」と心配される方がいらっしゃいますが、熟練の大工さんがしっかり仕事をしてくれるので、大丈夫なのです。
大工さんの仕事についてはまた後日、改めて書きたいと思ってます。
あと、無垢板のフローリンは手入れがしずらい のでは?と心配される方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
こちらのブログでお手入れについては詳しく書いていますが、固く絞った雑巾でたまに拭いてやれば充分です。
ワックスも自然系のものを,、一度塗るだけで大丈夫です。
こまめに手入れをしたい方は、大掃除の時にでも塗り直せば、綺麗な艶が出ますよ。
無垢板は少し傷がつきやすいのですが、多少の傷なら、水を含ませてやると元にもどリます。
とはいえ、無垢板につく傷は、生活していくとあまり気にならないようになりますが、どうしても気になる方は、サンドペーパーの細かいもので、少々削ってください。色が少し変わりますが、月日が経てば周りとなじんできます。
一方の合板は、傷がつくとそのままだし、こまめに油性のワックスを塗る必要があるので、意外と無垢板のほうが手入れは簡単だと思います。
住まいづくりに使う「杉」のお話 [11/03/24]
改めて...のお話になりますが、LineWor(k)にて手掛ける新築やリフォームなどに使用するのは、全て「国内で育った木(国産材)」です。
ただ、「国産材」と言っても、どんな木があるのか分からない人がほとんどだと思うので、改めて、私達が普段から使っている「木」についてお話したいと思います。
まずは、「杉」のお話です。
【杉】すぎ 花言葉「雄大」「堅固」
戦後、焼けてしまった山や荒廃してしまった大地に、復興の時に役立つようにと、一番たくさん植えられたのが「杉」でした。
なぜ杉が一番たくさん植えられたかと言うと、「生長の早い木」だから。家づくりや物づくりに使える「資源」として、一番早く育てられる木だったから、戦後こぞって全国に植えられたのです。
九州や四国などの暖かい地域では、30~40年もたてば太い木に育ちます。今、戦後60年以上が経って、全国各地に、十分に家の柱や梁に使える杉がたくさんあるんです。
生長が早いだけでなく、杉はまっすぐに育つので、家の柱に使うのにとても使いやすい木でもあります。
杉の名前の由来は、「直ぐ木」(すぐき)と言われている程、素直にまっすぐに育ちます。だから、山で伐採して、製材するだけで、そのまま柱や梁に使えるのです。
つまり、やがて日本の家づくりにや物づくりに使えるように...と、植えられたのが杉の木なのです。
この杉の木の特徴は何と言っても、「軽くて柔らかい」こと。細胞と細胞の間の隙間が他の木に比べて大きく、密度が小さいのでとても軽いのです。
大きな隙間に、たくさんの水分や温度を吸収することができるので、「調湿性」や「保温性」といった木の良さを、一番に発揮してくれる木でもあります。
私はよく、30mmと15mmの厚みのある杉板を使っています。主に、寝室や子供部屋などの床や壁に使用することが多いのですが、特にフローリングに使うと、足触りが良く、暖かいです。
ただ、「柔らかい」という長所の裏返しで、「傷がつきやすい」のも特徴。衝撃を緩和して手足に優しい分、ちょっとしたことで傷ができてしまいます。
でも、時間と共に色艶がでて、傷の一つ一つも味わいになってくるのが無垢の木の良さなので、できればあまり傷を気にせずに、おおらかな気持ちで住みこなして欲しいと思います。
これは私の好みですが、「杉の赤み」と言われる、木の中心に近い部分があるのですが、その部分は特に艶があって、夕陽のような真っ赤な赤がとても美しいです。
住まいづくりに使う「桧」のお話 [11/03/23]
昨日の「杉」に続いて、今日は「桧」のお話です。
【桧】 ひのき 花言葉 「不滅」 「不老」 「不死」
桧は、杉と同じように、復興を目指す戦後の日本に、たくさん植えられた木で、建築やその他の物づくりに使えるからということで植えられたのです。
杉は生長が早いと書きましたが、桧は杉よりゆっくりと生長します。杉は、養分の多い豊かな土でとても良く育ちますが、桧もそうかと言えば、ちょっと違います。桧はあまり栄養や水分の多い肥えた土に植えると、逆に病気になってしまうこともあるんです。
だから、桧は杉よりもやや痩せた土地にたくさん植えられました。ちなみに、もっと痩せた土地で育つのは松なんですが、松についてはまた書きますね。
ゆっくりと育つ分、細胞が密でキメ細かいため、杉と比べると重たくてかたいのが桧の特徴。密度が高い分、強度も高く、色も白いので、昔から高級材として大事に使われてきました。
木の中心部分の「心材」(赤く色がついている部分)と呼ばれる部分は、虫や水に強いので、「土台」や「大引き」、「根太」といった、家の重要な部分に使われてきました。
何百年も前に建立された神社や仏閣にも主に檜が使用され、「桧だからこそ」と言われる程、世界的に見ても、とても優れた木材です。約1400年前に建てられた、世界最古の木造建設物「法隆寺」も桧で造られてるんですよ。
その質の高さから、昔から高級材として扱われてきた桧ですが、今では比較的リーズナブルに使うことができるので、構造部分だけでなく、フローリングや壁板などにもたくさん桧を使います。
杉よりかたく、傷が付きにくいので、リビングや客間など、使用頻度の高い場所や来客を意識した部屋の床には、桧がお勧めかも知れませんね。
さらに、浴槽や桶、舟などにも使われてきた桧は、水にとても強いので、浴室や洗面所、台所などの水回りにも使えます。
ただ、かたい分、衝撃を緩和しずらく、杉よりも表面に冷たさを感じるのも桧です。温度を吸収したり、衝撃を和らげるといった仕事は、杉より少し苦手といった感じです。
また、桧の特有の香りにはリラックス効果があり、「桧風呂」などは、たくさんの温泉や銭湯で、好んで使われていますよね。桧は香りを楽しむための木でもあります。
油分の多い桧は、年月がたつほどに、光沢をまし、しっとりを色づいていきます。真っ白だった桧は、黄金色に変化しながら住まいに馴染んでき、とてもいい感じです。
使う場所を選択して、上手に使いたい素材ですね。
住まいづくりに使う「松」のお話 [11/03/22]
引き続き今日は、「松」まつについてお話しますね。
【松】 花言葉「不老長寿」「永遠の若さ」「勇敢」
一般的に「松」と言えば、「クロマツ」や「アカマツ」を指すことが多く、冬にもずっと緑の葉を茂らせることから、松は昔から「不老長寿の象徴」とされてきました。
「松竹梅」と言うように、梅や竹と並んで、おめでたい樹木なんです。
日本の風景を描いた絵の中に、とてもよく登場するのが「松」の姿ですが、能の舞台にも背景として必ず松が描かれていて、歌舞伎や狂言の世界でも松の背景が多く使われてるそうです。
松は、最も「日本文化を象徴する木」と言えるかもしれませんね。
前回もお話しましたが、杉は豊かな土地を好み、桧はそれより少しやせた土地、さらにやせた土地で生きるのが松。恵まれない環境でも立派に育つのですから、本当にたくましい木と言えます。
松の仲間は、明るい場所が大好きで、栄養の少ない土地にも耐えて生長することができるので、何かの理由で森が消失してしまったような場所に、真っ先に生えるのが「松」なんです。
逆に、色んな樹木と一緒に日の光を分け合って生長することは難しく、そういった環境の中では子孫を残せない木でもあります。
ちなみに、秋の味覚の代表格とも言える「マツタケ」は、松の仲間の中でも「アカマツ」という松の林に育ちます。
さて、住まいづくりに使える木として今回ご紹介したいのは、松の中でも唐松「カラマツ」。
カラマツの特徴と言えば、何と言っても「紅葉」。
杉や桧、松などの針葉樹(葉が針の様に細長い形をした樹木)は、紅葉しないものがほとんどで、日本ではカラマツが唯一、黄色く色づく針葉樹(写真)なのです。
とても美しく紅葉するんですよ。無意識のうちに、カラマツの紅葉を目にされている方が、意外と多いと思いかもしれません。カラマツは、他の松と同じく、明るい場所が好きで、生長が比較的早いので、杉や桧と同じように、戦後たくさん植えられました。特に、中部地方より北の寒冷地でよく見られます。
「松」と聞けば、自由奔放にねじ曲がった姿を想像されて、家づくりに使う木として不向きに思うのかもしれませんが、カラマツはそれほどでもなく、上手に乾燥・加工する技術もあるので、フローリングなどに十分使うことができます。
かたさで言えば、柔らかい杉とかたい桧の、ちょうど中間といったところでしょうか。適度に肌触りが良く、傷もつきにくいです。
色は、全体的に赤味がかった綺麗な色をしています。油分が多いので水にも強く、住まいの色んな所に使うことができ、月日が経つと飴色の艶が出て、とても味わい深い色になります。
杉や桧が、茶色や黄色がかった色に変化していくのに対し、年月を経ても赤味が一番良く残るのがカラマツかなと思います。
私は、フローリングの中ではカラマツが一番好きですね。
「杉」・「桧」・「松」...と、少し木のご紹介をさせて頂きましたが、それぞれに特徴がありますが、共通するのは年数が経てば経つほど、いい色に染まって味わいが出てくること。何と言ってもこれが、本物の木の良さです。
その他にも、水や腐れにとても強い「槇(マキ)」や、白アリに強い独特の匂いが特徴の「青森ヒバ」、さらには、テーブルやイスなど、家具に使うととても綺麗な「桜」や「栗」と言った広葉樹など、本当に様々な樹木がありますが、また、後日お話したいと思います。
「無垢フローリング」のお手入れ [11/03/21]
週末からいよいよ4月、早いものですね。
さて、今日は無垢の木のフローリングの「お手入れ」についてお話したいと思います。というのは、無垢フローリングを使いたいけど、手入れがむずかしいのでは?という声をよく耳にするからです。でも、これが意外とそうでもないんです。
まずは、お手入れに使う「ワックスの種類」なんですが、フローリングは家族が常に肌に触れるので、やっぱり、自然素材でできたワックスがお勧めです。
よく使われているのが、「蜜ロウワックス(原料は、蜜蝋とエゴマ油)」や、ドイツ製の「AURO フロアー用ワックス(オレンジオイルや蜜蝋、ローズマリー油など)」です。これらのワックスには、有機溶剤や合成樹脂、乳化剤などの、石油系化学物質が一切使われてないので、小さなお子さんにも安全です。
どちらも塗りやすく、ワックスに含まれている植物油が木材の中に染み込んでいき、表面の汚れや水をはじいてくれます。木の持つ本来の色や手触りはそのままです。
◆蜜ロウワックスの塗り方◆
ワックスがけはいたって簡単です。頻度も、一年に一度くらいで十分なので、年末の大掃除の時にでも、家族で楽しみながらできます。
用意するもの
- 掃除機
- 拭き取り用雑巾
- サンドペーパー
- ワックス
- 布やきれいな雑巾
ワックスを塗る前に、まずはフローリング表面の汚れや埃を、掃除機や乾いた雑巾で拭き取ります。汚れの上にワックスを塗ると、汚れが取れなくなってしまうからです。
フローリングが綺麗になったら、ワックスを布や雑巾に少しだけ取り、木目にそってまんべんなくすり込むように塗布します。
その後、ウエスで薄く延ばしていきます。あとは乾くのを待つだけです。
塗装の時に使用したウエスは、自然発火することがあるので、使用後は必ず水に浸してから廃棄します。
◆普段のお手入れ◆
日常的なお手入れは・・・特別なことは何もありません(笑)普通に掃除機をかけて、気が向けば、乾いた雑巾で乾拭きする程度でOK。
●汚れやシミがついてしまったら
基本的には、無垢フローリングについた汚れは、水を含ませて固く絞った雑巾で拭きとれば綺麗に落ちます。
水などのシミ
水分をこぼして長時間経ってしまうと、水とワックスの中の成分が反応して「白いしみ」ができることがあります。
そうなってしまった場合でも、市販のメラミンスポンジなどを使うと綺麗に落ちます。
表面のワックスが落ちてしまった場合でも、再度塗ってあげれば大丈夫です。
ひどい汚れ、シミ
醤油やコーヒー、マジックなどのひどい汚れが付いてしまった場合は、その部分を目が細かい(#240~320程度)のサンドペーパーで薄く削り、ワックスを塗っておけばOKです。
|
|
|
|
|
水しみ
|
サンドペーパー後
|
無垢の木は、こうして傷や汚れ、シミができても、表面を削って元の状態に戻すことができるのが、良いところです。
年月が経てば、手足の油分や木材自らの油分で、フローリングの表面はより光沢を増すので、汚れにくくなります。こうなれば、少々の汚れなら、雑巾で拭きとるだけで良いかもしれません。



