番外編・・・いろんな木 [09/03/11]
さて、今回の森と木のmini講座は番外編として、先日訪れた奈良県のとある原木市場で見つけた様々な木を、せっかくだから皆さんにご紹介したいと思います。
←まずはじめに・・・この木は何でしょう?外側の白い色と、中心部の赤い色のコントラストが印象的かと思いますが、これは「杉」です。戦後、日本で一番たくさん植林され、今最も利用が望まれている木です。
中心部分(心材と言います)のサーモンピンクがとても綺麗ですよね。
この木は、樹齢100年はゆうに超えているものです。大きさが分かるかなと思い、私の手を入れて撮影してみたんですが、100年にしては何となく細いと思いませんか?
というのは、この木は、とても年輪が細かいんです。それはもう、数えられないほどに細かな年輪がぎっしりと刻まれています。だから100歳を超えいるのに比較的、細いんです。でも、年輪が細かいだけに、ずっしり重く、強度があります。細かな年輪はまさに、吉野林業のたまものです。
←次にこちら。これはモミです。
モミと言えば、クリスマスの木というイメージですが、そうめんの箱やかまぼこ板、すし桶にも使われてきた、昔から生活に密着してきた木なんですよ。
湿気に反応しやすく水分を吸うので、保存用の木箱によく使われています。頂きもののそうめん・・・箱はモミの木かも知れないですね。
←続いてこちら。切り口の色が真白ですが、これはカヤです。
磨いたらとてもいい光沢がでるので、身近なものでは、将棋盤や将棋駒といったものがカヤでつくられてきました。
でも、こうして原木を見たのは、実は今回が初めてでした。何年もかけて乾燥されていくうちに、あんな黄色になるんですね~面白い!
←そして最後はこれ。ケヤキです。
木肌の感じが違う気がして分からなかったんですが、ケヤキの若い木ってこんな木肌なんだとか。
重厚で光沢があって、強くて・・・昔から神社仏閣の建築には欠かせなかったケヤキ。田舎の古民家をのぞくと、柱や梁にケヤキが使われているのを見ることがあります。ケヤキのテーブルとかもいいですね~
樹種なんて知らなくても、どんな木かなんて見たことなくても、色んな木に支えられながら成り立ってきたのが、日本の暮らしなんですね。少しでも、「木って特別なものじゃなく、とても身近なものなんだな~」と、イメージして頂けたらと思うので、これからも市場をのぞくたびに、色んな木をご紹介していきますね。
vol.2 「天然林」と「人工林」 [09/01/16]
さて、前回は「森ってどんな場所なのか?」について、書かせて頂きましたので、今回は、「天然林」や「原生林」、「原始林」や「人工林」といった、森の種類について、ちょっとお話ししたいと思います。
「森林」や「森」と聞いて、多くの人が思い浮かべるイメージは、「原生林」や「天然林」かと思います。
「天然林」とは、「自然につくられた森」を指します。つまり、種がどこからか飛んできて、それが根付いて、自然に生えた樹木や低木の集まりを言います。
天然林はその後、例えば里山(右の写真)のように、薪などの燃料をとるために木が伐採されるなど、人の手が加わることもありますが、伐採された後は、また自然に木が生えてきて、その森は新しく生まれ変わってゆくので、これもまた、やはり「天然林」ということになります。
一方、自然に誕生した天然林の中で、一度も人に伐採されたこともなく、山火事などの天災に見舞われたこともない森を「原始林」と言います。ただ、どんな奥深い森も、長い歴史の間には、火災や伐採に遭遇しているものなので、厳密な意味での「原始林」は、地球上にあまり存在しません。
この原始林に準ずるものとして、「原生林」があります。長い期間にわたって、伐採や天災のない森のことです。日本でいえば、「屋久島(左の写真)」や「白神山地」などが、原生林に当たります。
そして、唯一、人が植えて育てた森が「人工林」です。これは、家の柱や梁、また家具や食器、さらには船や酒樽といったものをつくるための材料として育てられた木の集まりです。
人工林とはこのように産業化された森であるため、「経済林」とも呼ばれ、その性質上、価格競争や需要減少などによって供給先が減少すると、簡単に放置され、荒れてしまう質のものです。
「森」をその成り立ちから大きく分けると、ざっとこんな種類になります。「人が植えたのか?」、「自然に生えたのか?」・・・という点が、森を見る時の大きなポイントになります。
さて、今、森林をめぐって問題となっているのは、「原生林のむやみやたらな伐採(世界規模)」と「人工林の放置(日本国内)」です。つまり、伐採すべきではない森の伐採と、伐採すべき森の放置です。
次回は、この「人工林」について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。
vol.1 「森」ってなんだろう? [08/10/08]
さてさて第一回目のmini講座。まずは、やっぱり「森」について。
「森」とは簡単にいえば「木の集まり」のことです。もう一つ、木の集まりをさす言葉に「林」がありますが、一般的に林とは、森よりも小さな規模の木の集まりを言います。
さらに、「樹林」という言葉や「森林」という言葉がありますが、「木の集まり」という意味では、違いはありません。あえて違いを言えば、「樹林」というのは、大きな木や小さな木、高い木や低い木など、いろいろな木が入り混じって生えている森をさし、「森林」とは、高い木ばかりの森をさします。
・・・と、辞書を調べてみれば、もっともっとたくさん、木の集まりを表す言葉があるかも知れません。
でも、みなさんには、ただ単にそんな意味でこれらの言葉を理解してほしくないと思うんです。
なぜなら、森というのは、「木の集まり」であると同時に、「命の集まり」だからです。
大きな木の下では小さな木が育ち、花が咲き、実がなります。
そして、そこでは数えきれない菌類(カビとかキノコとか)や虫たち、鳥やリスにウサギなどの小動物、さらにはシカやイノシシ、クマなどの動物達が暮らしています。みんな森の中で子供を産み、育てながら、命をつないでいるんです。
森ってそんな場所なんです。
だから、「森」と聞けば、木がただずらっ~と並んでいるというイメージではなく、鳥が鳴き、虫が鳴き、実がなり、色がある・・・そんなイメージをもって頂けたらと思います。


