年輪ってなんだろう? [10/08/10]
前回は「節」について書いてみましたが、今回は「年輪」のお話です。
木の切り口、断面に現れる、木が1年1年成長してきた過程を見てとれるのが「年輪」です。だから、年輪を一つ、二つと数えていけば、「その木が何歳なのか?」が分かる訳ですね。
でも、実はそんな年輪が、ない木もたくさんあるんです。
「ええ~そうなの?」と驚かれる人が多いんですが、どんな木だと思いますか?
年輪は「成長輪」とも呼ばれ、木が育ってゆくうちに組織づくられてゆく、1 年1 年の生長を表すものです。
では、「なぜ、年々の生長が分かるのか?」と言えば、「季節ごとの育ち方が違う」から。
春から夏にかけては、強い陽射しを全身に受けながら木は盛んに成長し、幹はどんどん太くなります。
一方で、秋から冬にかけての寒い季節は、木は活動を休止し、ほとんど成長しません。
この、生長の早い時期につくられた細胞(春目、早材)と、遅い時期につくられた細胞(冬目、晩材)は、見るからに違いがあります。春目は色が薄く、細胞は密ではありませんが、冬目は細胞が密で、色が濃く、固いのが特徴です。
写真で言えば、年輪の白い部分が「春目」、茶色い濃い線になって見える部分が「冬目」です。
こんな風に、季節ごとの生長の差がはっきりしていて、1 年1 年の生長を読みとることができるものを、「年輪」というのです。
つまり季節のある国の樹木にしか、年輪はないのです。
だから、四季のない熱帯林などでは、年輪がみられない樹木がたくさんあります(乾季や雨季など、気候にメリハリがあれば、年輪は見られます)。
また、年輪は木の年齢だけでなく、他にも色々なことを教えてくれます。
例えば、その木が受けた虫の害、病気、山火事に大雪...環境の変化を刻みながら成長してきた木の歴史、それを教えてくれるのが「年輪」なのです。
節のない木のつくりかた [10/07/10]
さて今回は、「節のない木(無節)」のお話しです。
前回お話した通り「節は枝の跡」なので、全ての木には節がある訳ですが、実は節のない木(主に柱)というのは、森で育っている時から、無節の木として使われることを想定して育てられた木なんです。
昔は柱を隠さず家を造る(真壁工法)ことが当たり前だったし、客間や床の間など訪ねてくる人を強く意識していたので、見た目の美しさが重視され、そのニーズにこたえるために育てられたのが無節の木です。
では、どうやって無節の木をつくるのでしょうか?
例えば、1 本の木から4 寸角(12cm 四方)の柱をとるためには、最低でも直径17cm の丸太が必要ですが、図の四角が柱だとすれば、この表面に節が出ないように育てればいいわけです。
木は中心側ではなく、樹皮側が太っていくので、幹の外に突き出している枝は成長と共に幹に巻き込まれていきます。この幹に巻き込まれた枝が、製材時に表面に出ると「節」になってしまうのです。
そこで木を育てる人達は、「枝打ち」を繰り返してきました。早めに枝を切れば、木はその傷跡を覆うように成長していき、柱の表面に節が出ない木をつくることができるのです。
でも、今の住まいづくりは、柱を隠してしまう大壁工法が主流で、和室も少 なくなり、無節の木はあまり必要とされなくなりました。もちろん、節のある木が悪いわけではありませんが、大変な苦労をかけて育てられたものだから、どちらも有効に活用できないかな・・・そんな風に思うのです。
節ってなぁに? [10/06/12]
住まいづくりに木を使うとき、よく「無節」や「節あり」といった表現をします。
もちろん、「無節」は「節のない木」、「節あり」は「節のある木」という意味なんですが、そもそも、「節」って何なんでしょう?
赤かったり黒かったり、小さいのや大きいの...節って色々ありますが、実は「節」というのは、木が森で生きていた時そこにあった「枝」の跡なのです。
木は、空に向かって枝を広げ、たくさんの葉をしげらせて初めて、太陽の光を集めることができます。木は葉っぱがなければ生きられないんですが、その葉っぱをつけるために無くてはならないのが枝です。だから、枝のない木なんてないんです。木は木である以上、必ず枝を生やしています。
枝の無い木なんてないとすると...初めに書いた「無節」って一体どういうこと?って疑問がわきますよね。
お話したように、木には必ず枝があるので、「無節」といっても、節の存在しな い木というわけではなく、ただ「表面に節が見えていない木」ということなんです。
つまり、木が森で生きている時から、住まいの柱として使われることを想定し、 柱の表面に節が出ないように育てられた木が「無節の木」になるという訳です。
で、その無節の木の育て方っていうのが面白いんです。ちょっと知りたくなり ませんか?それについてはまた次回、書かせて頂きますね。
FSC・SGECなどの「認証木材」 [10/05/11]
最近、国内外を問わず、「違法伐採問題」が深刻化しています。
海外においては、外国資本による許可を得ないままの乱伐が大問題に。後先を考えず、根こそぎ伐採してきて、安価に売りさばく・・・残念ながらこんなケースが後を絶ちません。
特に日本は、自分の国に豊富な森林資源があるにも関わらず、外国で違法伐採を続けている「キクイムシ」だと、諸外国から非難されている現状にあります。
後を絶たない違法伐採に、「もう木は伐採しません!」と宣言する国もたくさんあります。でも、「あっちが駄目なら、こっち・・・」と、被害は拡大しています。取り締まるすべもなく、砂漠化してしまう地域も多いのです。植物に優しい日本の気候風土とは異なり、木が生育しにくい環境の国もあります。そのような土地では、一度伐採された山を元に戻すことは、簡単なことではありません。
そして、国内。日本で木を伐採するには、国や都道府県へ届け出をする必要がありますが、そんな届なしに、ただ伐採され、その後放置されてしまう山が出てきています。もし、大面積が一気に伐採されたてしまえば・・・山はいつ崩壊するとも知れない、危険なものになってしまいます。山が崩壊して困るのは・・・そう、私たちです。
そこで、このような違法に伐採された木材と、そうでない木材を区別する取り組みが進んでいます。
これは、環境に配慮しながら、きちんと森林整備がされ、持続的に森林が管理されていることを証明するもの。
つまり、認証された山では、適度な伐採と植林が進められ、自然のサイクルの中で木材が生産されているという証です。
だから、そんな木材を使った家づくりが広がれば、森の循環が守られ、本当の意味で自然に優しい家づくりが実現します。
私たちがご提案する「木の家づくり」では、これら「FSC」や「SGEC」などの認証木材をはじめ、産地証明のとれる木材を使用します。
健康な森づくりがされてこそ、木材は初めて安心して使えるものになるのです。
国内の森で育った杉・桧 [10/05/11]
LineWork(s)の「木の家づくり」。
もちろん、使用するのは近くの森で育った杉や桧、松などです。
土台や大引き、根太、さらに水周りには、水や腐朽菌に対して強く、耐久性のある桧の心持ち材を。
そして、梁や桁など、大きな断面が必要な部分には、杉や松を活用しています。
これら、建物の命とも言える「構造材」はもちろんのこと、居住性に大きく関わる「内装材」にもふんだんに国産材を使っています。
また、一般的にスプルースや合板に頼ってしまいがちな「建具」についても、杉を上手に活用したいと考えています。建具もやはり大切な家の一部です。家と共に深みを増し、空間に溶け込むようなものを、手の届く範囲でご提案したいと思います。
番外編・・・いろんな木 [09/03/11]
さて、今回の森と木のmini講座は番外編として、先日訪れた奈良県のとある原木市場で見つけた様々な木を、せっかくだから皆さんにご紹介したいと思います。
←まずはじめに・・・この木は何でしょう?外側の白い色と、中心部の赤い色のコントラストが印象的かと思いますが、これは「杉」です。戦後、日本で一番たくさん植林され、今最も利用が望まれている木です。
中心部分(心材と言います)のサーモンピンクがとても綺麗ですよね。
この木は、樹齢100年はゆうに超えているものです。大きさが分かるかなと思い、私の手を入れて撮影してみたんですが、100年にしては何となく細いと思いませんか?
というのは、この木は、とても年輪が細かいんです。それはもう、数えられないほどに細かな年輪がぎっしりと刻まれています。だから100歳を超えいるのに比較的、細いんです。でも、年輪が細かいだけに、ずっしり重く、強度があります。細かな年輪はまさに、吉野林業のたまものです。
←次にこちら。これはモミです。
モミと言えば、クリスマスの木というイメージですが、そうめんの箱やかまぼこ板、すし桶にも使われてきた、昔から生活に密着してきた木なんですよ。
湿気に反応しやすく水分を吸うので、保存用の木箱によく使われています。頂きもののそうめん・・・箱はモミの木かも知れないですね。
←続いてこちら。切り口の色が真白ですが、これはカヤです。
磨いたらとてもいい光沢がでるので、身近なものでは、将棋盤や将棋駒といったものがカヤでつくられてきました。
でも、こうして原木を見たのは、実は今回が初めてでした。何年もかけて乾燥されていくうちに、あんな黄色になるんですね~面白い!
←そして最後はこれ。ケヤキです。
木肌の感じが違う気がして分からなかったんですが、ケヤキの若い木ってこんな木肌なんだとか。
重厚で光沢があって、強くて・・・昔から神社仏閣の建築には欠かせなかったケヤキ。田舎の古民家をのぞくと、柱や梁にケヤキが使われているのを見ることがあります。ケヤキのテーブルとかもいいですね~
樹種なんて知らなくても、どんな木かなんて見たことなくても、色んな木に支えられながら成り立ってきたのが、日本の暮らしなんですね。少しでも、「木って特別なものじゃなく、とても身近なものなんだな~」と、イメージして頂けたらと思うので、これからも市場をのぞくたびに、色んな木をご紹介していきますね。
「天然林」と「人工林」 [09/01/16]
さて、前回は「森ってどんな場所なのか?」について、書かせて頂きましたので、今回は、「天然林」や「原生林」、「原始林」や「人工林」といった、森の種類について、ちょっとお話ししたいと思います。
「森林」や「森」と聞いて、多くの人が思い浮かべるイメージは、「原生林」や「天然林」かと思います。
「天然林」とは、「自然につくられた森」を指します。つまり、種がどこからか飛んできて、それが根付いて、自然に生えた樹木や低木の集まりを言います。
天然林はその後、例えば里山(右の写真)のように、薪などの燃料をとるために木が伐採されるなど、人の手が加わることもありますが、伐採された後は、また自然に木が生えてきて、その森は新しく生まれ変わってゆくので、これもまた、やはり「天然林」ということになります。
一方、自然に誕生した天然林の中で、一度も人に伐採されたこともなく、山火事などの天災に見舞われたこともない森を「原始林」と言います。ただ、どんな奥深い森も、長い歴史の間には、火災や伐採に遭遇しているものなので、厳密な意味での「原始林」は、地球上にあまり存在しません。
この原始林に準ずるものとして、「原生林」があります。長い期間にわたって、伐採や天災のない森のことです。日本でいえば、「屋久島(左の写真)」や「白神山地」などが、原生林に当たります。
そして、唯一、人が植えて育てた森が「人工林」です。これは、家の柱や梁、また家具や食器、さらには船や酒樽といったものをつくるための材料として育てられた木の集まりです。
人工林とはこのように産業化された森であるため、「経済林」とも呼ばれ、その性質上、価格競争や需要減少などによって供給先が減少すると、簡単に放置され、荒れてしまう質のものです。
「森」をその成り立ちから大きく分けると、ざっとこんな種類になります。「人が植えたのか?」、「自然に生えたのか?」・・・という点が、森を見る時の大きなポイントになります。
さて、今、森林をめぐって問題となっているのは、「原生林のむやみやたらな伐採(世界規模)」と「人工林の放置(日本国内)」です。つまり、伐採すべきではない森の伐採と、伐採すべき森の放置です。
次回は、この「人工林」について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。
「森」ってなんだろう? [08/10/08]
さてさて第一回目のmini講座。まずは、やっぱり「森」について。
「森」とは簡単にいえば「木の集まり」のことです。もう一つ、木の集まりをさす言葉に「林」がありますが、一般的に林とは、森よりも小さな規模の木の集まりを言います。
さらに、「樹林」という言葉や「森林」という言葉がありますが、「木の集まり」という意味では、違いはありません。あえて違いを言えば、「樹林」というのは、大きな木や小さな木、高い木や低い木など、いろいろな木が入り混じって生えている森をさし、「森林」とは、高い木ばかりの森をさします。
・・・と、辞書を調べてみれば、もっともっとたくさん、木の集まりを表す言葉があるかも知れません。
でも、みなさんには、ただ単にそんな意味でこれらの言葉を理解してほしくないと思うんです。
なぜなら、森というのは、「木の集まり」であると同時に、「命の集まり」だからです。
大きな木の下では小さな木が育ち、花が咲き、実がなります。
そして、そこでは数えきれない菌類(カビとかキノコとか)や虫たち、鳥やリスにウサギなどの小動物、さらにはシカやイノシシ、クマなどの動物達が暮らしています。みんな森の中で子供を産み、育てながら、命をつないでいるんです。
森ってそんな場所なんです。
だから、「森」と聞けば、木がただずらっ~と並んでいるというイメージではなく、鳥が鳴き、虫が鳴き、実がなり、色がある・・・そんなイメージをもって頂けたらと思います。



